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 解禁間もない秘密の川 「天然系紅エノハ」

あ〜なぜにバカチョン!
悔やまれます




今年の渓流の状況を占う初釣行!もちろんサクラには何度か通った。そして今年もあえなく撃沈。本格的にサクラをやって、もう5年ほどになるが未だに出会えていない。それでも来年も懲りずに行くんだよな。まぁ、サクラの話はまたいつかするとして今回は紅エノハの話をチョットだけ。まず、今年の1回目をどこにしようか悩んでた僕だがホームリバーの本流、渓流にだいたい決めていた。そんな時、親友に貸していたトラウティストが帰ってきた。もちろん新刊は僕のところにあるんだけど・・バックナンバーの全巻を久々に読みながら本ヤマメの記事にいつのまにか夢中になっていた。そう、東北いや全国屈指のエキスパート伊藤さんの取材と丹さんの文章である。本ヤマメの記事は伊藤さんが天然系在来種のヤマメ達を追っかける話なんだけど、(九州のマダラがソレ)その中にピンク系のヤマメの話が出ていた。それを熟読しながらフッと昔の思い出がよみがえった。そういえば、あの川も確か放流もないし天然系だよな。しかも紅色系が多かったなぁ!っと。その川は僕の以前の「ナワバリ」の川のひとつで(前ホームリバーの支流)渓流と呼ぶにはかなり貧相でしかも周りに田んぼがあったりする里川の様相をかもし出す川である。ただ入渓できる所が限られており一般の釣り人は大体敬遠する。川幅も小川と表現したほうがマッチするし、竹藪で覆われたトンネルが多く、しかも道路から見えるエリアは水が殆ど流れていない。そう、源流にはたまにある隠れ川(地下に水脈というか川がある)なのだ。だから地元の渓流マンでも入渓点を知らない人も多い。そんな川だから放流された話も聞かないし、実際漁協、釣具店に聞いたが放流経歴は無いとの事。更に魚影も大して濃くは無く型もせいぜい尺どまりである。でもその下流の本流は九州の本流餌師で知らない者はいないという位有名な本流里川系のひとつ。もちろん放流もしているしその支流にも産卵のため放流系の血が混じったエノハ達が差して来る事もあるだろう。しかしエノハが上るとしても僕が知ってる場所までは落差ウン十メートルの滝をいくつも越えなければたどり着かない。果たして本流からそこまで上ってくるものだろうか?ただ何故か魚は解禁から婚姻色ともサビとも異なるピンク色をしておりその中にオレンジの点がびっしり入っている綺麗な魚体がよく釣れる、いや釣れた。 川の解説はさておき、とにかく僕はこの川を今年の渓流の第一歩と決めた。理由は簡単。丹さんの記事に触発されたのとあの紅ヤマメならず紅エノハ(アマゴ)がどうも頭から離れなくなってしまったからだ。それにもう何年も入っていないあの川の状況が急に気になったし近くには昨年引っ張り出した大エノハの川もあるし。ダメな時はそこへ!なんてスケベ根性を出しながら現地へ向かった。行く途中、今も昔のままだろうか?河川工事されてないか?意外と地元餌師に釣りきられてるのでは?逆に放流がされる様になって例の魚体は残っていないのでは?なんて全て心配事ばかりで到着した。 川は昔のままの様相で何年もの歳月がついこのあいだと変わらない位記憶のままでひっそりと流れていた。僕は安心と懐かしさで大きくひとつ深呼吸をして、今年初の渓流にちょぴり緊張しながらお気にいりのミノーで丹念に攻め始めた。数投したとこでバイトがあり第一号。18cm弱の「シバゴ」だ。僕らの地元では6寸以下のエノハをシバゴと呼ぶ。(詳しくは渓人で触れています。)体色も一面紺色の点とパーマークで構成されておりオレンジの点もしっかりある。よかった天然形だぁと一安心。オレンジの点がなければ正に「マダラ」である。ただ紅色ではない。それからそのサイズから22cm位のサイズがここぞというポイントでチェイス&バイトしてくるので気分は良かったが肝心の紅エノハが来ない。絶滅?それとも僕の遠い記憶の中で美化され空想の魚を作り出してたのか?なんて独り言をつぶやきながら上流へ。今までの引きよりチョットパワーのある引きでマンネリしてた僕の感覚が変わった。果たして上がってきた魚は、そう紅エノハ!やはりいた!型は8寸ほどだが確かにそこに居たのである。僕はしばしその雄姿に見とれていた。それと何故かホッとした気分になった。「また、いつの日か」とつぶやきながら流れから消えるのを確認しそれから同クラスをもう1本追加。そこで初めてカメラ(バカチョン)を持ってきたのを思い出し記念に撮影し彼女をそっと流れに返した。その後数本出したエノハは普通?の天然系で紅エノハとは最後まで出会えなかったが僕は大満足だった。いい時間になったしいつもベストに忍ばしているドリップコーヒーのセットを取り出しお茶をゆっくりと楽しみ川を後にした。多分またこの川にくるのは何年も先のことだろう。いや今回が最後かもしれない。「良い印象のままで終わりたいしネ」
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